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真空成形課をゼロから立ち上げ。 失敗の連続でも諦めず事業拡大へ

プロフィール
マエダさん|生産部真空成形課 課長 2001年入社

製袋課で4ラインの生産管理を担当

―TSKに入社を決めた理由を教えてください。

マエダ:千葉の大学で商業を学び、卒業後は富山に戻って職を探しました。機械オペレーターの仕事で募集があり、最初に採用されたのがTSKでした。2001年に入社したので、今年で24年目になります。

―入社当時はどのようなお仕事をされていたのでしょうか?

マエダ:機械オペレーターとして、製袋課で袋を作る作業をしていました。最初は、SS工程の機械1台を動かすところからのスタートでした。SS工程というのは、製袋の後工程とも呼ばれるもので、筒状にした袋を折り曲げて封をし、カットテープで開けるように処理する作業です。
製袋課には17年ほどいたのですが、最終的にはSS工程の他に、手加工、底貼り、ヒートシーラーの4つのラインを任され、機械を動かしながら、スケジュール管理や人員配置などの生産管理を行っていました。

―製袋事業のやりがいはどんなところにありましたか?

マエダ:やりがいというか……機械をいじるのは好きですね。動かしているうちに愛着も湧いてきて、よく綺麗に磨いたりはしていました。

複雑で奥の深い「真空成形」の仕事

―現在は、真空成形課にいらっしゃいます。配属の経緯を教えてください。

マエダ:真空成形は2018年に新しく始まった事業です。その立ち上げのタイミングで「やってみたいです」と立候補しました。

―立ち上げは大変でしたか?

マエダ:大変でした。ゼロからのスタートで、すべてがわからないことだらけでした。メンバーは自分を含めて2人だけ。機械操作もわからないし、そもそも「真空」って何?という状態だったので、そこからの立ち上げは本当に苦労しました。
真空成形をやっている他社さんに1週間ほど研修に行き、その後は説明書を見ながら夜遅くまで操作を確認する日々でした。何度も失敗しました。立ち上げから1~2か月ほどで実際の製品の対応を始めましたが、まったく思うようにいきませんでしたね。綺麗な形状にならず、ロスばかり出していました。それでも、教えてくれる人もいないので、自分で考えて解決していくしかないんです。きつかったですね。自分でやりたいと言い出したことなので、投げ出したりはしなかったですが。

ー改めて、真空成形とはどのような技術なのか教えてください。

マエダ:簡単にいえば、プラスチックのトレイを作る技術です。真空状態でプラスチックシートに金型を上下から押し当ててプレスすることで、複雑な形状を一瞬で作り出すことができます。
製品ごとにトレイの形状がまったく違うというところが、真空成形の面白さだと思います。形状に関しては技術グループが設計し、それをもとに金型を削りだすところから対応します。その後、機械をプログラミングし、プレス作業へと進んでいきます。
製品によって注意するべきポイントも変わってきます。「この製品はこの部分に不具合が出るね」などと、ある程度予測しながら対応しています。それは経験を積み重ねる中でわかるようになってきたことです。すごく奥の深い仕事なので飽きないですね。

「利他の心」を大切にする理由

―真空成形の仕事を始めてから、仕事内容の他にも変化を感じたことはありましたか?

他の部署との関わりは増えました。技術グループの設計者と一緒に形状を確認したりとか、そういったやりとりはすごく多いです。営業や事務の人たちともよく話をするようになりました。
会社のValueのひとつに「利他の心」がありますが、これは自分としても大事にしていることです。みんな一緒に仕事をしてる仲間だと思っているので、感謝の気持ちは忘れないようにしようと。
交流の面でいうと、仕事以外にも会社の草野球チームに参加したりもしていました。体を動かすのが好きなんです。

―「利他の心」を大切にしようと思ったきっかけは何かあったのでしょうか?

マエダ:小学校から大学までバトミントンをやっていたんですが、上下関係がすごく厳しかったんですよね。今では考えられないですが、殴る蹴るのパワハラは当たり前でした。それでかなり鍛えられて、少しのことでは諦めないような精神力は身に着いたと思いますが……「利他の心」とは無縁の世界ですよね。
「利他の心」を大切にしているのは、その時に嫌なことをされたから自分はしたくない、という気持ちがあるからかもしれません。

ーマエダさんは入社24年目。TSKの文化となっているKAIZENがスタートした時から今までをご存じだと思います。最初と今とでKAIZENに対する向き合い方に変化はありましたか?

マエダ:最初に毎月の改善実施報告が義務づけられた時は、「やらされ感」は強かったと思います。いきなり「はい、やりましょう」という感じで始まったので。
でも、やっていくにつれてKAIZENをする意味がわかってきたというか、自分たちの職場を自分たちでより良く変えていける、仕事がしやすいように変えていけるというのはすごくいいことだなと感じるようになりました。会社全体にも徐々に浸透してきて、「やらされ感」ではなく、自分たちでやろうという雰囲気に変わってきています。
KAIZENのレベル自体、上がってきていると思います。最初は掃除などが中心でしたが、だんだんと仕事の効率化といったことも考えられるようになってきたので。

チーム力強化を目指して

―最後に、今後の目標を教えてください。

マエダ:真空成形課の課長として、事業をもっと大きくしていきたいという気持ちはあります。
そのためにはまずは課内のチーム作りをしっかりして、強いチームにしていくことが自分の責任かなと思っています。仕事が増えるにつれ、人手が足りない状態になっているので、今後、新しい方にも入ってもらいその育成も丁寧に行っていきたいです。

一緒に働く仲間から、紹介コメントをもらいました!

アベさん(生産部 ロジスティクス課 課長):今、振り返れば、マエダさんとはいろいろな課題に向き合い、共に乗り越えてきましたね。製袋の繁忙期に帰宅できず富山の花火大会を会社で一緒に見たり、夜食に食べたカレーや牛丼、かつ丼の味が旨かったことを懐かしく思い出します。マエダさんの熱い想いが仲間と通じ合い、広い視野でライン間の連携を図ってくれたことが、製袋における生産の清流化につながったのだと思います。
そして、真空成形課の立ち上げ。困難を極めることがわかっていながら自ら手をあげたことが本当にすごい。安定稼働まではとても長い道のりで、苦労の連続であったこと、自分も後工程で関わりがあるので見ていてわかりました。途中で投げ出さずやり遂げた胆力に脱帽します。
プライベートでも一緒に飲みに行くことがあり、いろいろとお話をします。仕事に限らず部下の悩みを聞き、時に業務の調整までしており、部下からの信頼も厚い。そんな情熱、根気、信頼を兼ね備えたマエダさんであれば、「真空成形をもっと大きくする」という目標の実現に必ず近づくでしょう。

ヒラノさん(生産部 真空成形課):マエダ課長は話しやすく、とても頼りがいのある上司です。私たちの意見や質問に対して真剣に耳を傾けてくれるので、自由に意見交換することができます。常に的確なアドバイスやサポートをしてくれるので、困ったときや課題に直面したときには頼りになる存在です。マエダさんのリーダーシップがあってこそ、真空成形課は成り立っています。
そして、マエダさんのユーモアのセンスはいつも場を和ませてくれます。チーム全体のコミュニケーションを含め、仕事をより楽しく、効果的に進める手助けをしてくれているのがマエダさんです!

ミヤザキさん(生産部 製袋課):マエダさんは製袋課時代の上司です。多忙期にはシフトをうまく組んで残業時間の削減を進めてくれ、生産性やロス率などの考え方についてもよく教えてもらいました。
真面目で責任感のあるマエダさんですが、おちゃめで優しく、ちょっと天然な一面もあります。TSKの草野球チームでは二人でよくバッテリーを組んでいました。マエダさんが投げる剛速球をキャッチするのはちょっと怖かったです。釣りにもよく一緒に行きます。舟釣りをした時はとても大きな太刀魚を釣りあげていました!
私にとってはマエダさんは連隊長のような存在です。彼がTSKにいなかったら、今の自分は絶対になかったでしょう。これからも頼もしい仲間でい続けてください。

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