インタビュー
真空成形事業の最前線で活躍。ベトナムと日本を技術でつなぐ唯一無二の“仕事人”

真空成形事業の最前線で活躍。ベトナムと日本を技術でつなぐ唯一無二の“仕事人”

プロフィール

カインさん|生産部真空成形課 2015年入社

TSKでは人財の多様化を積極的に進めており、現在、日本では6人の外国人スタッフが活躍しています。その一人であるカインさんは、2015年9月に技能実習生として来日し、TSKでキャリアをスタートしました。真空成形のプロフェッショナルとして仕事の幅を広げ、TSKベトナムと日本をつなぐ架け橋としても欠かせない存在となっています。

そんなカインさんに、日本に来た理由、現在の仕事内容ややりがいについて聞きました。

ベトナムから技能実習生として来日

―カインさんは出身はどちらですか?

ベトナムの中部にある小さな村です。ホー・チ・ミンの出身地として知られるゲアンという地域で育ちました。

―日本に来ることになったきっかけは何でしたか?

大学を卒業したら海外で働きたいと思っていて、最初は韓国を考えていました。ですが、ある時、大学で仕事の募集会があり、面接を受けてみたんです。そこで話をしたのがTSKの社長(現会長)で、私は採用してもらうことができました。まだ日本語はわからなかったけど、社長と話すのはすごく楽しくて、「この会社で働いてみたい」と思いました。それで、大学を卒業して日本に行くことを決めました。

―初めて日本に来たときの印象はどうでしたか?

街がとてもきれいでした。ベトナムはバイクが多いのですが、日本ではたくさんの車がクラクションも鳴らさずに静かに走っていて、すごく驚きました。

―言葉もわからない状態で来日して、大変なことも多かったのではないですか?

日本語は理解できないし、道も生活のルールもわからない。家族とも離れて、心細くて帰りたいと思ったこともありました。でもその時、私は21歳。まだ若いし、「せっかくつかんだチャンスだからあきらめないで頑張ろう」と思えました。

―日本語はどのように勉強したのですか?

職場での会話と、仕事が終わったあとは家でYouTubeやテレビを見て勉強して、だんだんと話せるようになりました。

“金型製作のプロ”として、真空成形事業をけん引

―TSKに入社して、最初はどんな仕事から始めましたか?

富山加工課で、プレスや製品の包装、仕切りの組み立てなどを担当しました。まだ日本語も図面の読み方もわからなかったので、周りの先輩の作業を見て、真似しながら覚えていきました。そこから3年くらい経験を積んだあと、2018年に3か月間TSKベトナムに行って、今度は真空成形オペレーターの研修を受けました。その時に、CNC(Computer Numerical Control:コンピュータ数値制御)加工で金型を削る作業も覚えました。私は大学で電気工学を学んでいたこともあり、機械の操作には慣れていたので、比較的すぐに覚えることができました。

―2018年といえば、TSK本社に真空成形機の1号機が導入され、真空成形事業が本格的にスタートした年ですね。

そうです。日本に戻ってからは、その真空成形課に入りました。当時、CNCの機械が一台新しく導入されたのですが、日本では扱える人がいなかったため、私が担当することになったのです。わからないことがあると、TSKベトナムに電話をして、教えてもらうこともありました。

―真空成形課での現在の仕事内容を教えてください。

今はCNCでの金型製作に加えて、真空成形トレイの試作も担当しています。試作品は、金型を作ったあと、量産に入っても問題ないかを確認するためにつくるものです。試作には専用の機械が必要で、量産オペレーターとはまた違った技術が求められます。試作もやるようになったのは、ある時、マエダ課長が忙しそうにしていたので何か手伝えることはないかと思い、「試作もやります」と手を上げたことがきっかけでした。

―1日の仕事の流れはどんな感じですか?

出社したらまずメールとスケジュールを確認し、そのスケジュールに沿って金型加工を進めます。作業の合間には、削った金型を磨いたり洗ったりして仕上げます。完成した金型は、小さいサイズであればそのまま自分で試作も行います。一日に大体2つの金型をつくっています。最後にまたメールをチェックして、翌日以降のスケジュールを更新し、チーム全体がすぐ状況を把握できるようにしてから退社します。

試行錯誤を重ね、思い通りの金型を仕上げる面白さ

―今の仕事で一番面白いと感じることは何ですか? 

金型製作でプログラムを組む作業が一番楽しいです。技術部の方から受け取ったデータをもとに、「どう削ればこの形になるのか」を考えて、パソコンでプログラムをつくります。削る刃物も10種類ほどあって、その中から最適なものを選びます。削る順番やスピードも重要で、まずは大きな刃で大まかに削って、少しずつ小さい刃に変えて仕上げをしていきます。刃の回転や移動スピードが速すぎると刃が折れたり、きれいに仕上がらなかったりするので、ちょうど良いスピードになるように調節する必要もあります。そんな試行錯誤を重ねながら、自分の経験をもとに判断して、機械を動かすのはとても面白いです。毎日違う形を削るので変化があって、思い通りに仕上がった時は大きな達成感があります。

―これまでで一番難しかった仕事は何ですか?

金型の修正作業です。特にTSKベトナムで製作した金型を、お客様の要望に合わせて日本で修正する場合は、ベトナムと連携しながら進める必要があり、とても時間がかかります。新しくつくるのとは違って、刃の移動距離など複雑な計算が必要で、難易度が高いです。

―普段、周りの人とのコミュニケーションで意識していることはありますか?

仕事では、技術部の方とのやりとりに気を付けています。受け取ったデータを確認して、「この形は削れない」「後工程の成形で対応できない」など、不安な点をきちんと伝えます。そのやり取りを何度も重ねて、問題がないと確認できてから作業を始めるようにしています。

日常面では、社員の皆さんがいつも笑顔で挨拶してくれるのがとても気持ちいいので、私も同じように挨拶を大事にしています。

―これから挑戦したいことはありますか?

今期中に中国製の成形機の使い方を覚えたいです。コストが安いので製作費を抑えられるメリットがあるし、日本製の機械と同じ条件で動かして、性能の違いを比較・研究してみたいです。

―今後の目標を教えてください。

目標は、マエダ課長のようになることです。マエダ課長は毎日一生懸命で、いろいろな機械を使いこなし、人と接する時はとても丁寧で優しいです。そんな姿を尊敬しているので、自分も少しでも近づけるように努力していきたいです。

<関連ページ>
-TSKリクルートサイト
https://tsk-corp.jp/recruit/

-真空成形課をゼロから立ち上げ。失敗の連続でも諦めず事業拡大へ
https://tsk-corp.jp/journal/564/

一緒に働く仲間から、紹介コメントをもらいました! 

マエダ課長(真空成形課):カインさんとは上司と部下の関係です。業務面でも前工程・後工程を担う重要な関係で、カインさんが作った金型を使って私が真空成形トレイをつくっています。自分で計画的に金型加工のスケジュールを立てて、短納期にも責任感をもって対応してくれています。明るい性格で、ベトナムからの実習生やトレニーの仕事だけでなく、生活面の面倒まで見てくれる優しい男子です。普段、正規のベトナム食材店でアヒルの肉などを買っているそうで、食生活はかなりワイルドなようです。カインさん、これからも頼りにしています。

タンさん(真空成形課):カインさんは先輩であり、同胞です。社交的な性格で、複雑な仕事も楽しみながら、情熱と責任感をもって取り組んでいる姿が印象的です。まるで兄弟のような存在で、これまでにたくさんの思い出を一緒につくってきました。これからもお互いの成長・発展のためにチャレンジを続けましょう。

モリタさん(技術部):僕が設計を担当し、カインさんに型加工や試作をお願いしています。その時できる仕事はできる内に早めに終わらせてくださるので、想定よりも早く済んで助かることが多いです。日本語の砕けた言葉遣いとして「なんか」を非常に自然に使っていたのには驚きました。仕事でいろいろと迷惑をかけてしまっているのに、いつも朗らかに明るく接してくださりありがとうございます。

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