「TOKYO PACK 2024 – 東京国際包装展」に真空成形で初出展!
TSKは、10月23日(水)~25日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催された国内最大のパッケージ展「TOKYO PACK 2024 – 東京国際包装展」に真空成形の分野で初出展しました。
この記事では、展示ブースの様子や真空成形トレイの特徴を詳しくレポート。また、今回の出展を中心になって進めた事業推進部担当者にインタビューし、初挑戦となった展示会の感想や今後の展開について聞きました。
TOKYO PACKとは?
「TOKYO PACK」は、2年に一度開催される国内最大の国際総合包装展です。1966年の初開催以来、今年で30回目。包装資材や包装機械を中心に、調達から生産、物流、流通、販売、消費、廃棄、リサイクルにいたるまで、包装に関わるあらゆる分野を網羅する総合展として知られています。国内外から多くの企業や業界関係者が参加し、最新の技術やソリューションを披露する場となっています。
開催概要
会期:2024年10月23日(水)~25日(金)
開催場所:東京ビッグサイト(東京国際展示場)東ホール
テーマ:世界が驚く包装イノベーションを!~TOKYO PACKから世界へ~
主催:公益社団法人日本包装技術協会
出展社数:725社
来場者数:221,301人(3日間合計)
展示ブースの様子
今回、TSKが出展したのは、車載部品の搬送に特化した真空成形トレイです。TSKの試作技術を活かして製作した複数のサンプルを展示し、多くの来場者に手に取っていただきました。
▲展示ブースの様子
ブースの左側面に大きく書いてあるのが、TSKが扱っている車載部品の一部。主に電気自動車や自動運転技術に使われる部品輸送に特化した真空成形トレイの製造を得意としています。
こうした電子機器や精密部品などは、搬送の時のわずかな接触が製品不良につながるため、極めて繊細な取り扱いが求められます。
▲ブースの真ん中と右側面のモニターでは、真空成形トレイの種類や特徴、製造の様子をムービーでご紹介しました。
当日は、運営スタッフとしてインターンシップの学生さんにもブースに立っていただきました!
▲当日、来場いただいた方には、真空成形トレイのミニチュアをお渡ししました。素材の違いを感じていただけるよう、PET、PP、PSの3種類のトレイを用意しました。
- PET(ポリエチレンテレフタレート)……成形が容易で透明性が高く、中身の確認が必要な用途に向いている。剛性が高く他の素材と比較して強度が出しやすい
- PP(ポリプロピレン)……他の素材と比べると成形性はやや劣るものの、粘り気があり割れにくく、耐熱性にも優れているため、温度変化が激しい環境下でも安心して使用できる
- PS(ポリスチレン)……3つの素材の中で最も成形しやすく、複雑な形状を必要とする部品に適している。他の素材と比べると割れやすいのがデメリット
展示内容:TSKの真空成形トレイが実現する高機能ソリューション
TSKの真空成形トレイは、輸送時の安全性だけでなく、積載効率や作業性も追及し、お客様のご要望に合わせてオーダーメイドで設計しています。当日展示したサンプルの一部機能をご紹介します。
積載効率アップ
同じ製品に対して形状の異なる2種類のトレイを用意。それらを交互に重ねることで空間をムダなく活用し、従来の約2倍の集積率を実現しました。この工夫により、輸送コストの削減にも貢献します。
安全性の確保&作業性アップ
部品を縦方向に配置することで、接触NG箇所を回避しながら平置きよりも積載量を大幅にアップ。さらに、側面を折り込む独自の形状で製品を上下から固定するため、安定した包装が可能です。仕切り材が不要なため、出荷作業も簡略化され、プラスチックコンテナに押し込むだけでセットが完了します。
金型費用削減&管理の一本化
長さの異なる2種類の製品に対応可能な同形状のトレイを開発。これにより、金型費用の削減と管理業務の効率化を両立しました。
ヒューマンエラーの防止
縦横や裏表の置き方を間違えると部品が入らない形状にすることで、ヒューマンエラーによる誤配置を防止。現場での効率性と正確性が向上します。
初出展に込めた思いとこれからの展望
最後に、事業推進部のササキさんに、初の「TOKYO PACK」出展に至る経緯や感想、今後の展開について伺いました。
ー今回、TOKYO PACKに真空成形トレイで出展することにした経緯を教えてください。
TSKは、数ある真空成形メーカーのなかでも、特に車載部品の物流に特化した真空成形トレイの製造を得意としており、その強みを広く知っていただきたいという思いから出展を決めました。
ーなぜTSKは車載部品に特化した真空成形トレイに力を入れているのでしょうか?
現在、自動車業界は100年に一度の変革期ともいわれています。ガソリン車から電動車(ハイブリット、プラグインハイブリット、EV)への移行が世界的に進む中で、電子部品や精密機器の運搬ニーズはますます高まっています。
真空成形トレイは、ほかの包装材と比べて形を自由自在に変えることができ、複雑な形状や繊細な取り扱いが必要な車載部品の輸送に最適です。さらにそこに、TSKが得意とする製品収納数アップや、真空成形トレイだけではなく別材質を用いた複数案の提示、周辺資材を含めた運び方そのもののデザインといった提案力を組み合わせることで、より満足度の高い価値を提供できると考えています。
ー当日はどのくらいの方にお越しいただけましたか?
予想を上回る反響をいただき、3日間で電動車部品メーカーをはじめとする50社以上の企業の方々とお話ができました。ブースに掲示していた部品名を見て興味を持っていただける場面も多く、自動車業界に詳しい真空成形メーカーとして少しでも認知を広げられたのではないかという手ごたえを感じています。
ー来場者との会話で見えてきた真空成形トレイの新たなニーズはありましたか?
大きく2つありました。
1つは、厚みのあるトレイへの需要です。自動車部品の大型化が進む中で、通常の0.5ミリほどの薄さでは、重量のある部品を運ぶには強度が足りません。今後は2ミリ程度の厚さと強度があるトレイのニーズが高まるのではないかと感じました。TSKはすでに2ミリ厚のトレイの製造を行っているので、こうしたニーズにすぐにお応えできます。
2つ目は、環境配慮型素材の活用です。CO2排出量削減の観点から、バイオマス素材やリサイクル素材への関心が高まっています。しかし、こうした素材は粉の発生やコスト面の課題があり、真空成形トレイへの導入はまだ進んでいないのが現状です。これらは、今後解決していかなければならない課題です。
ー最後に、今回、TOKYO PACKに初出展してみての感想と今後の展望を教えてください。
企画から運営まで担当し、出展を実現するプロセスはとても充実していました。何より、展示ブースでさまざまな企業の方々と直接お会いし、お話できたことはとても貴重な時間になりました。
今後は、車載部品だけでなく医療機器業界にも展開を拡大し、より多くの業界で役立つ真空成形トレイを提供したいと考えています。たかがトレイ、されどトレイ。形を自在に操れる真空成形トレイには、ほかの包装材では実現できない価値があります。
世の中の変化に柔軟に対応し、これまで培ってきた業界知識をさらに深め、より良い運び方を提案できるメーカーであり続けたいです。
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