【お客様インタビュー】プロテリアル様 TSKの包装提案を採用いただいた理由をお聞きしました。
今回TSKジャーナルでは、自動車部品の輸送に真空成形トレイをご活用いただいている株式会社プロテリアル様を取材しました。100年以上の歴史を持つプロテリアル様は、長年、「電線メーカー」として培ってきた技術を軸に、自動車、産業インフラ、エレクトロニクスといった幅広い分野で素材や部品の製造を行っておられます。
編集部は、弊社営業・土田とともにプロテリアル様の茨城工場を訪問。自動車部品事業部の郡(こおり)様にお話を伺い、TSKとお取引いただいた背景、物流現場での課題、そして包装がどのように日々の業務に寄り添えているかについて教えていただきました。
・株式会社プロテリアル様(HP)
https://www.proterial.com/
歴史ある「電線メーカー」が磨き続ける独自技術
―まずは、御社の事業内容について教えていただけますか?
郡様:プロテリアルは、産業用電線をはじめとする各種電線や自動車部品のほか、特殊鋼、磁性材料などを主力製品とする鉄鋼メーカーです。1910年の創業以来、国内外のリーディングカンパニーに高品質で最先端の材料を供給してまいりました。
そのなかで、私の所属する自動車部品事業部では、その名の通り、自動車部品の製造を手がけております。当部門は日立電線株式会社を前身としていることから、自動車のなかでも特にハンドルやパーキングブレーキ、スライドドアなど、常に動きにさらされる箇所に使われるケーブルやハーネスを得意としています。歴史ある「電線メーカー」という強みを活かし、製品開発の段階で揺動・屈曲を解析することで、最適なケーブルやハーネスをご提案しております。

電動パーキングブレーキ(EPB)用ハーネス

Semi-rigid Connect Assy(モーター内配線部品)
―“動くところ”に使われる部品にはどのような性能が求められるのでしょうか?
郡様:動きに追従できる柔軟さと、繰り返しの動きに耐えられるしなやかさを兼ね備えている必要があります。ケーブルやハーネスは、何本もの銅線を編み重ねたものを被覆して構成されます。束ねる銅線が細ければ細いほど柔らかさは出せますが、柔らかすぎてもダメ。しなやかさとのちょうど良いバランスを見極めるところに繊細な技術が求められます。
“レスポンスの早さ”と “使いやすさへの配慮”
―TSKは、真空成形トレイの製造で2024年から御社とお取引をさせていただいています。TSKにご依頼いただいた理由を教えていただけますか?
郡様:約1年前、御社から最初にお声がけいただいたのが、ちょうどSRC Assy(Semi-Rigid Connect Assy:HEV車用のモーター配線部材)の新しいモデルの受注が決まったタイミングでした。弊社では2019年からSRC Assyの量産をはじめたばかりで、最適な包装のあり方についての知見が十分とはいえず、既存の真空成形トレイでは、製品特性とトレイ設計の間に少しズレが生じていると感じていました。そんな折に声をかけていただき、提示いただいたコスト感も含めて「良いお取引ができそうだ」と感じ、ご依頼することにしました。
自動車部品事業部 郡(こおり)様
―TSKの真空成形トレイのご提案はどのようにお役に立てているでしょうか?
郡様:一番は、とにかく対応が早いことです。我々としては製品の設計に時間を割きたいので、包装設計に関しては長引かせたくないというのが本音です。そんななかで、「トレイに製品をこんなふうに置きたい」「ここが当たらないようにしたい」「ここで抑えたい」といった要望を伝えると、すぐにCADで再現してくださる。もし難しい場合でも、できない理由を丁寧に説明してくれるので納得できます。つい先日も、作業者が手で持つ際の接触の懸念があったので、「トレイの壁を長くしてほしい」とお願いしたところ、すぐに対応していただきました。
土田:本当はこちらで気づくべきところでしたが……。
郡様:実際にどのように使うかは、現場でないとわからない部分も多いです。こちらもいろいろと無理難題を言ってしまうこともありますから、そこはお互いの歩み寄りだと思うんです。TSKさんは、現場の使いやすさを真摯に受け止めてくれていると感じています。
わずかな接触も許されない自動車部品。安全に運ぶための最適な包装とは
―自動車部品を運搬する際に、一番課題になりやすいのはどんなところでしょうか?
郡様:やはり接触ですね。部品が銅でできているので、シート材と触れるとこすれて削れてしまいます。そのため、どんな振動にさらされても接触しないポジションで支え、適切なクリアランスを確保することが重要です。
―これまで真空成形トレイ以外を使われたことはありますか?
郡様:いまのところありません。ちょっとした変形も許されないので、品質面では真空成形トレイが最適だと考えています。もちろん代わりになるものがあれば検討します。実際、北米向け輸送でワンウェイになる製品では、従来のポリプロピレン(PP)トレイではなく、環境配慮の観点からパルプ素材を検討したこともありました。最終的には、総合的に判断してトレイを継続することになりましたが。
土田:紙(パルプモールド)であれば環境負荷は減らせますが、どうしてもコストが高く、積み重ねたときの保管スペースの課題もあります。ご相談いただいて現場を拝見した結果、その時は、真空成形トレイをおすすめしました。

―お客様からの環境対応への要求は高まっていますか?
郡様:お問合せをいただくことがありますので、高まっているとは感じています。ただ、やはりコストがネックになっている印象です。
土田:TSKとしては、真空成形トレイを“推したい”のではなく、お客様にとっての最適な包装を一緒に考えることを大切にしています。今後のニーズに応じて、トレイ以外を含めたご提案をさせていただければと思います。
変わりゆく物流環境。現場に寄り添った改善の積み重ね
―自動車部品業界で、製品や物流に求められることに変化はありますか?
郡様:お客様から求められる開発スピードは、昔と比べて格段に速くなっています。提示された日程に合わせて、トレイの仕様を含めた設計から出荷までの一連のプロセスを考慮し、限られた期間内で対応できるよう工夫を重ねているところです。
―物流面で現在課題に感じておられることはありますか?
郡様:工場内物流では、出荷検査のために製品を取り出す際、作業性が悪いと現場から声が上がることがあります。製造部門や品質保証部門と連携しながら、工場内で製品を運ぶ動線の見直しも行っています。また、先ほど少し話にでた保管スペースの問題もあります。
あとは、物流費の高騰ですね。調達時の運送費が上がると製品価格にも影響しますし、お客様へ納める際の運賃も同様に上昇しているので、価格交渉の必要が出てきます。
土田:調達時の荷姿はサプライヤー様ごとの判断になりやすいかと思いますが、コストや効率の観点から、必要に応じて私たちがサプライヤー様のもとに伺い、荷姿を一緒に検討させていただくことも可能です。
郡様:ただ、難しいのは、数量の変動があることです。ひと箱に入る数量を増やせたとしても、数量が減った時には容器が余ってしまうとった問題がでてきてしまうのが悩みどころです。
土田:たしかに、そのバランスをどう取るかがポイントになりますね。
対面だからこそ伝わること。長く続く関係のためにできることを
―これまで継続してTSKとお取引いただいている理由は、どんなところにあるでしょうか?
郡様:対応のスピード感と、こちらの要望をきちんと汲み取って形にしていただけるところです。箱のサイズや積み上げの段数などに厳しい制約がある場合でも、それをすべてクリアする方法を考えて提案してくれます。そして、もちろんコスト。こちらが納得できる価格をご提示いただけるからこそ、今もお取引を継続することができています。
―反対に「もっとこうしてほしい」といったご要望はございますか?
郡様:今のところ特にありません。ちょくちょく土田さんが顔を出しに来てくれて、状況を聞いてくださるので、そうした点でも安心感があります。
―最後に、プロテリアル様が現在力を入れているテーマがありましたら教えていただけますか?
郡様:海外戦略ですね。日本では、HV車の市場が飽和しつつある一方、北米では広い国土ゆえに充電設備などのインフラが十分に整っておらず、当面はEVよりもHV車の需要が伸びると予測されています。そうした背景から、北米をメインターゲットにする自動車メーカーさんが増えています。一方、北米に限らず未進出の国や地域への生産拠点の拡大は検討すべきテーマです。現地生産が難しい場合は、輸出という観点から最適な物流のあり方をこれからも考え続ける必要があります。
―ありがとうございます。TSKとしても、Quality(クオリティ)・Cost(コスト)・Delivery(デリバリー)・Service(サービス)のすべてにおいて、ご満足いただける包装設計をご提案できるよう努めてまいります。本日はお忙しい中、取材にご協力いただき誠にありがとうございました。
左:郡様 右:土田
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