実績
【事例紹介】倉庫保管/トラック積載効率2.7倍化(オムロン株式会社様)

【事例紹介】倉庫保管/トラック積載効率2.7倍化(オムロン株式会社様)

TSKは“現場の物流をデザインする会社”として、輸送包装の領域で安全にモノを運ぶための緩衝設計や、最適なコストでモノを運ぶための空間・構造設計を行っています。この記事では、TSKがこれまでに手がけた包装設計の事例をご紹介します。

今回取り上げるのは、オムロン株式会社様の「倉庫保管/トラック積載効率2.7倍化」です。

包装仕様に合わせて製品サイズを決定

本事例は、オムロン株式会社様の太陽光発電システム用パワーコンディショナー(PCS)向けの包装材の減容化により、物流効率の大幅な改善を実現したものです。

PCSは、総重量が20kgを超える重量物です。それを包装し、パレットに積み、輸送・保管する場合、パレットを含む総体積には制限がともないます 。そこで、倉庫保管およびトラック積載効率を2.7倍アップさせることを目指し、開発を行いました。

開発のプロセスで画期的だったのは、製品の形状に合わせて包装材を設計する従来の開発プロセスとは逆の手順を踏んだことです。つまり、先に保管・輸送に最適な包装仕様を決定し、それに合わせた製品サイズを決定しました。

オムロン様が物流効率に関する課題意識をお持ちだったために、このような思い切った対応が実現しました。後回しにされやすい包装設計を製品開発の上流段階でしっかりと考慮に入れることで、安全かつ効率的な運び方を実現し、コストダウンにつながりました。

複数の素材を組み合わせ、空間をムダなく活用

本事例では、包装材における天地方向の緩衝空間を従来の半分(70mm→33mm)にした点が特徴です。この結果、従来は1パレットあたり6箱しか積めなかったものを、16箱まで増やすことができ、約2.7倍の積載効率を実現しました。

空間削減のための具体的な方法としては、段ボールを用いることで生じていた緩衝空間1および2(下図)に用いる材質を変更しました。

空間1:段ボール→真空成形トレイに変更

PCSには本体に加え、設置に必要な取付板が付属しています。包装する際は、PCS本体と付属板をひとつの箱に収める必要があります。そのために活用したのが真空成形トレイです。従来は、PSC本体の上に段ボールの仕切り材をのせ、取付板を配置していました。今回は、段ボールの代わりに取付板の形状に合わせた真空成形トレイ(PP製)を使い、立体的に配置することで、緩衝空間を大幅に削減することができました。

空間2:段ボール→発泡PPに変更

底面の緩衝材は段ボールから、復元性のある発泡PPに変更。これにより、緩衝区間を35mm→10mmまで削減し、繰り返しの衝撃に耐えうる耐久性も確保しました。

これらの工夫の結果、包装サイズを従来の容積から約40%減らすことに成功しました。

包装作業の簡略化も実現

さらに本事例では、副次的な効果として包装作業の簡略化にもつながりました。ピッキング・配膳の段階で、出荷用の真空成形トレイに直接セットすることで、包装材にそのまま収納することが可能に。「ピッキング・配膳」と「包装」の工程をひとつにまとめることで、これまで発生していた詰め替えの作業を不要化することができました。

まとめ

今回の事例では、通常の「製品開発」→「包装材開発」という流れに囚われず、先に包装仕様の構想とサイズ感を仮決定し、それに合わせて製品サイズを決めるという思い切った手法を採用し、物流効率を大幅に向上させた点が特徴です。また、包装材の無駄な空間を削減する部分最適にとどまらず、それを前後工程の効率化や物流エネルギーの削減といった全体最適へとつなげました

TSKでは製品の包装の仕方だけでなく運び方全体をデザインし、安全で効率的な物流の実現に貢献しています。現場の物流にお困りごとをお持ちの方は、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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