電動車の開発が進むとともに、自動車部品の中でもEV/HV用部品の品質に対する要求は年々厳しくなっています。多くのエンドユーザー様からは輸送時の部品保護だけでなく、トレイや包装資材による異物混入の防止が強く求められています。これまでの井桁仕切や従来のプラダン素材では、輸送中に発生する「ささくれ」や「削りカス」が品質問題となり、顧客の要求に応えきれない場面が増えていました。これらの微細な異物が部品に付着すると、電子部品の性能に悪影響を与え、エンドユーザー様にとって重大なリスクになります。

こうした背景から包装材に求められる品質も飛躍的に高まり、従来の包装材では限界が生じているのが現状です。

包装材で部品搬送の根本的な課題解決を図る

こうした品質問題を解決するため、材質や形状に着目した新たな包装形態をご提案しています。硬い樹脂製の部品と従来の真空成形トレイが擦れた際に発生していた「粉」や「ささくれ」などの異物を徹底的に防ぐことを目指し、より耐摩耗性の高い素材と、部品形状にフィットするトレイ設計に着目しました。部品の形状や特性を詳細に確認し、それに最適な素材や設計を提供することに注力しました。

こういった「削りカス」が発生する部品輸送に対しては、微細な形状変化にも対応できる高い柔軟性を持ちつつ、削れや摩耗に強い「耐摩耗素材」を採用しています。従来のプラダンに見られる「ささくれ」や、樹脂との擦れで発生する「粉」を抑制しています。また、製品の品質を守るだけでなくエンドユーザー様の厳しい品質要求にも確実に応えることができています。

部品形状にピッタリとフィットする包装形態

今回ご紹介する真空成形トレイは、パワー半導体用部品といった車載部品の輸送で品質を飛躍的に向上させます。例えば、インサート成形の金属部品が飛び出た複雑な形状の部品でも、トレイがその形状に合わせてぴったりとフィットし、傷や変形を防ぎます。これにより、輸送中の衝撃や摩擦による部品の損傷リスクが大幅に減少します。

また、トレイの形状自体も部品の突起部分を「逃がす」構造を採用することで、デリケートな電子部品に直接接触することなく部品を安定的に収納します。これにより部品の表面に傷や圧力がかかることがなく、輸送中の安全性が確保されます。さらに、従来の井桁仕切素材では対応できなかった部品輸送中に発生する「削れカス」も、この耐摩耗トレイにより解決できます。特殊な素材を使用することでトレイと部品の摩擦による異物発生を抑え、輸送品質を大幅に向上することができます。

輸送品質の向上で部品の信頼性を支える

自動車産業において、部品の品質は車両の性能や信頼性に直結する重要な要素です。特に電動車の普及に伴い、パワー半導体用部品の品質基準は年々厳しくなっています。TSKの真空成形トレイは、こうした厳しい品質基準を満たすための最適なソリューションを提供します。耐摩耗性と部品形状に合わせた柔軟な設計により、部品の安全かつ確実な輸送を実現し、エンドユーザー様の品質要求にも確実に応えます。

もし、貴社でも部品の輸送品質やトレイ素材の見直しをお考えであれば、ぜひ私たちＴＳＫにご相談ください。私たちは、お客様のニーズに真剣に向き合い、最適なトレイ設計と素材の提案をいたします。輸送品質を向上させ、製品の信頼性を守るために全力でサポートさせていただきます。